違法性 を解説
読み方
いほうせい
説明
違法性は、行為もしくは状態が法令に違反していることを指し、形式的には法規範に反している性質のことです。このような違法性のことを形式的違法性といいます。法律が定める事項に背くこと、法の禁じる内容に抵蝕し法に違反することなどを意味しています。刑法の規定する行為に該当する場合、違法性があるのかないのかを判断するための考え方の一つとして持論が形式的違法論と実質的違法論があります。形式的違法論とは、刑法典その他の実定法規が規定しているもののみでそれ以外は認めないという考えのもので、実質的違法論とは、その行為が正当化されるだけの事情があるかどうかの判断を実質的に行い、適応された場合は違法性が阻却されることです。
また、刑法上の違法性には客観的違法論(客観主義)と主観的違法論(主観主義)の2種類があり、客観的違法論は、客観的に違反することが違法であるとする場合です。責任能力がない者でも違法となりうり、人間以外の動物の行動や自然現象についても違法とみなされることがあります。主観的違法論とは、行為者に対する命令規範であり、その命令を理解しながら自らの意思で違反することを指しています。ですので、責任能力のない者の行為は違法と評価することができないことになっています。(自然現象など違法と評価されない)